マスターバック修理 | |
![]() | 2016.6.20
以前からブレーキの効きが悪くなっていたが、ブレーキを踏むと足元からシューと空気の音がする、ブレーキマスターバックの軸からと判明。 マツダに言うと1969年製ルーチェのマスターバックは何処にも無いと言いお手上げ、そこで自分で何とかしようとネット検索から始まる |
![]() | 数年前同じ故障で取り外したJIDOSAHKIKI K.K Unit NO-211-00105の不良品が手元に保存してある。
現在の会社名 ユニシアジェーケーシーステアリングシステム株式会社だと言う ルーチェのパーツ表を見ると分解した部品が並ぶ、分解する事が出来るようだ、構造を見ると二つが合わせてあり、オス側に切り欠き、メス側に出っ張りをそれぞれをぴったり合わせて組み、少し捻ってロックしてある、数センチ捻れば外れる事は判ったが普通の力ではビクともしない。 特殊な専用工具、俗に言うSST(スペシャルサービスツール)が必要だと判る。 |
![]() | マスターバックが無いのに特殊工具など売っているはずも無い、結局、お得意の自作する事にする、ホームセンターから鉄製品を買い、穴開け加工、溶接機があるので試行錯誤で自作した。
取っ手の部分は厚み5ミリ長さ60センチの鉄板。 十字型がブレーキシリンダー側、台形が車体取り付け側、 ルーチェの211−00105は車体側3本のボルトで取り付けてある。 |
![]() | SSTを付けて素手で回して見たが鉄板が歪んでしまいビクともしない |
![]() | マスターバックと同じ厚みの角材に取っ手の片側を木ネジ5本で止め固定 |
![]() | 左回りに回すとロックが外れるので、取っ手の先に力を入れながら根元を大きな金槌で叩くと僅かに緩む、30回以上叩き漸くロックが外れる位置までくる。 |
![]() | 平行だった取っ手がこのように開きロックが外れる位置になる。 |
![]() | ロック場所の開いた隙間にマイナスドライバーを入れ割り込んで行く、3か所ある |
![]() | 二つに離れたケース、太いスプリングが飛び出す |
![]() | 予想通りダイヤフラムがひび割れて空気が入り負圧にならない。ゴム系接着剤やタイヤチューブ修理用を考えたが可動部分では無理。
ダイヤフラムの分解を試みるが分解は出来ずゴムの交換は出来ない
パーツ表を見るとキーなる部品がありそれを使うと分解できるようだがネット検索でも見つからず諦める。 |
![]() | 日産ケンメリ用マスターバックをネットで購入、品番が211−と頭が同じなので外形寸法などは同じと判断、車体取り付けボルトが4本でルーチェの3本とは合わない、ロットの太ささも10ミリと太く8ミリのルーチェには合わない、切って三本にするか取り付け方法を模索で数日。ロットの太さは10ミリ用ロットエンドを作れば済みそう。 |
![]() | マスターシリンダー取り付けボルトは同じ寸法でそのまま使えそう。しかし負圧ホースを繋ぐ口が反対側でホースが届かない、最悪ホース延長で解決か。 問題は車体側4本。 |
![]() | 特殊工具を4本用に穴開けして新品のマスターバックを分解。部品の寸法を精密に当たる。
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![]() | ダイヤフラムのピストン部分は同じで交換が出来る、この時点でルーチェのマスターバックのケースに部品を移植する事に決定。 |
![]() | リテナー、ベアリング、シールを新しいのに入れ替える。 |
![]() | ケースを合わせる台には塩ビ管VP100のソケットが利用でき丁度良い台になる。
スプリングを入れこの状態で足で体重を掛けると合わさり目が入る |
![]() | 合わさった状態で小さな万力で仮の固定を2か所する |
![]() | 特殊工具を取り付け大きな万力で締め付け圧着し溝や切込みを合わせる |
![]() | 右回しでロックまで回す、生では回らずハンマーで金具を占める方向に叩きながら絞めて行きストッパーまで絞める。 |
![]() | ル−チェのケースに入れロック状態まで絞めた、車体側。
横にあるのは日産ケンメリ用ケース |
![]() | シリンダー側と日産ケンメリ用ケース。 |
![]() | ルーチェのケースに組み込んでマスターバックが完成、後はブレーキぺタルと接続する10ミリ用エンド部品を作る。 |
![]() | 7ミリの間隔がプレーキぺタルステーの厚み。 |
![]() | プレス機で作れば一瞬で出来る部品、幅20ミリ厚み2ミリの鉄板を万力と金槌に当て金のヤスリで作った金具、万力で挟み金槌で叩き直角に曲げ5ミリ先で又曲げる、左右同じにするのも技術がいる。 |
![]() | マスターバックのゴムからプレーキぺタルのピンまでの間隔のナットの位置合わせは、部品取り車にマスターバックを取り付けプレーキぺタルにもピンをセットし実際の寸法を出す。 同じ車で合わせて寸法を出せば部品作りは完璧に出来る、2枚の穴開けは0.1ミリずれてもピンは入らない。 10ミリのナットに1.25山でネジを切り、ピンの代わりに同径のボルトナットで、7ミリ厚の板に締め付け仮固定しナット位置を合わせて金具に溶接。プッシュロットエンド金具の完成。 |
![]() | 横から、割ピンを入れて見る、この後部品取り車で実際にマスターバックを取り付け、組み立てプレーキぺタルを動かして当りの隙間を見て約6ミリにする。 |
![]() | ルーチェのケースを使ってリペアーしたマスターバックが完成。 マスターバックの交換だけなら自分で出来るが、ブレーキ周りのエアー抜きなど安全面を考えるとプロに頼むのが一番、技術料は如何ほどになるか?? |
![]() | ぺタルとの微調整はやはり加工が必要だったようで、シャフト5ミリカットしロックネジも半分の薄さにして漸く付けたと説明 |
![]() | 甲信マツダでルーチェのマスターバックを交換しブレーキ性能も回復、軽く踏むだけで効き目が出る。 |